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岡山支社に物申す


最終更新: 2001年 1月28日


●大悪口大会

 ここまでの諸論で岡山地方の話題ばかり述べてきた。 それでもなお言いたいことはいくらでもあって、どうしてオレを支社長に任命しないのっていうくらいなのだ(言い過ぎ)。 というわけで、新幹線を除く各路線に物申していきたい。 それも腹が立っている順に。

●日本一冷遇された幹線

 瀬戸大橋線の話題から。 「フリーゲージトレインの“ツボ”」などで述べたとおり、岡山〜茶屋町 14.9km が未だ単線のままなのである。 本州と四国を結ぶ大動脈が、である。 これを冷遇と呼ばずして何と呼ぼう。

 瀬戸大橋線は忙しい。 毎時上下 5本以上の発着をこなし、朝 8時台にいたっては 8本もの列車が岡山に到着する。 11〜13番ホームは「瀬戸の花嫁」が鳴りっぱなしである(言い過ぎ)。 小柳ルミ子も大変やなぁ(もうええ)。

 岡山〜茶屋町 で行き違いのできる駅は大元・備前西市・妹尾・早島の 4つであるが、半数以上が優等列車のこの区間で、一線スルー構造になっているのは備前西市だけである。 他は全てY字ポイントを徐行して通過しなければならない。 また妹尾は構内を拡張し、楽にランニングスルーができるようにしたにもかかわらず、最近のダイヤでは有効に使われていない。

 かつてはこれがそう苦にもならなかった。 客扱い駅以外を全て通過すると、岡山〜茶屋町 14.9km は約 13分。 例えば特急同士が岡山と茶屋町を同時に発車したとしよう。 茶屋町(運転停車)を出た上り特急は、ほぼ中間の妹尾駅構内でランニングスルー、14.9km を走り終えると待っていた下り快速が 2分後に発車する。 上り快速が岡山に着くのがさらに 13分後、この間に清掃点検をホームで行う。 そして 2分後に下り特急として発車。 つまり、特急も快速もきっちり 30分ヘッドで折り返すという感動的に美しいダイヤだったのだ。

 ところがこいつはよく遅れた。 単線にぎゅうぎゅうに詰め込んでいるのだから当たり前である。 しかも瀬戸大橋という過酷なルートを抱えてるし。 しかし西日本がとった対策は、すれ違いに余裕を持たせたダイヤだった。 四国の願いむなしく各列車はのろくなり、13分で走破していた快速マリンライナーは最も遅い 32号で 22分もかかるようになった。 以前と同じ客扱い 1駅のみで、である。 表定速度 40.6km なんてどこが快速だ。

 どうしてこんなにひどいか、実はちょっと考えればすぐわかる。 瀬戸大橋線 岡山〜児島 は西日本岡山支社の管轄だが、改良工事をしたとして恩恵を受けるのは四国である。 西日本は「これくらい本数を走らせておけばいいだろう」くらいにしか考えていないのだろうが、四国にとっては唯一の新幹線連絡ルートなのだ。 自分の儲けにならないから改良しない、気持ちはわかるがひどい話である。

 解決策となる複線化だが、「計画」という言葉を聞くだけで一向に先へ進まない。 現在大元駅付近で進んでいる高架化工事も、仮線の引き方から考えて当面は単線での運用となりそうである。 笹ヶ瀬川以南の沿線は水田ばっかり、用地買収にほとんど問題は見当たらない。 ちょっとずつでも複線化が進むとダイヤ設定も楽になるのに、幹部はちっとも気がつかないのだろうなぁ。

●乗れと言われて素直に乗るか

 「浪花節だよ人生は」にあわせて、なにわ方面である山陽本線上りを斬る。 つまりは 岡山〜姫路 88.6km の話。 日本全国ローカル線は多々あれど、この区間ほど乗っていてだるい路線も覚えがない。

 所要時間は平均して 1時間25分くらいか。 この区間を直通する旅客列車、日中は 1時間に 1本しかないのである。 いわゆる「日本の背骨」でそんな区間はといえば、鹿児島本線の八代以南と、東北本線の黒磯以北くらいのものか。 境遇としては黒磯の方に似ているだろう。 そう、理由は「新幹線があるから」である。

 姫路の山は高く険しい。 それは今も昔も変わらない。 はるか大阪に想いを馳せようとも届かない。 新幹線も高速道路も県境はトンネルの連続である。 そんな壁を、山陽本線はえっちらおっちらと船坂峠経由で越えてゆく。

 …とまぁ設定本数が少ない理由はわかるのだが、姫路まで出てしまえば近畿圏へはひとっ飛びである。 新快速が 15分ヘッドで疾走し、大阪までわずか 1時間、京都まで 1時間半。 距離はけっこうあるが、そんなに早く行けるのなら行ってみようかという気にならなくもない。 しかし岡山支社は気軽に東へ行かせてくれない。 新幹線に乗りなさぁい、と鬼気迫る表情を見せるのだ。 これは運転士を務める我が友人からも聞いたのだが、西日本の陰謀は確かにあるらしい。

 姫路以東は言わずと知れた私鉄激戦区、いかにして乗客を勝ち取るか激しい戦いが繰り広げられた。 JR は複々線(西明石〜草津)と新快速 130km/h 運転を武器にして、中距離輸送で見事シェアを勝ち得た。 これは強力なライバルがいたからこそ火がついたのである。 ふと 岡山〜姫路 を見てみると、やる気が微塵も感じられない。

 こだま利用の新幹線特急券は 1,680円。 指定席ではない、自由席特急券の料金である。 確かにちょうど 1時間の短縮になるのだが、代償がこれではちょっと気が向かない。 1時間 1,000円でエステに行ける時代、苦痛しのぎの代金はもっと安くてもいいのではないか。

 確かに 岡山〜姫路 は沿線が寂しいし線形が悪いし、在来線に優等列車を設定したくないのはごもっとも。 しかしすぐそこは近畿圏、供給が需要を呼ぶことは大いにあり得るのだ。 新快速延伸は無理でも、朝夕のみ「サンライナー」延伸くらいした方がいいんじゃないかなぁ。 時間短縮はほんの 20分くらいだろうが、やってみる価値はあると思うよー。 やってもらわなきゃ困るもん、我々庶民としては。

●サービス低下はやり過ぎ

 続いて伯備線。 フリーゲージトレインの導入をめぐって注目を浴びつつある存在だが、特急「やくも」が 1時間ヘッドで走り抜ける以外は基本的にローカル線である。 全線電化だが、川に沿って走る区間が多くて線形も悪く、振り子車両投入は当然と誰もが感じることだろう。 鳥取県西部地震の影響をモロに受けたところでもある。

 先日、105系が福山から転属されてやってきた。 福塩線で走っていた電車である。 岡山支社はそれをワンマン化改造して伯備線に投入した。 これはマイナーチェンジである。 走行性能が 115系より悪いし、何よりトイレがないのだ。 運用次第ではロングランにもなる区間、ちょっとひどいんじゃないかなぁ。

 伯備線は倉敷で山陽本線と分かれ、その先備中高梁までは複線である。 ここまでの区間はダイヤが揃っていないが、新見行きも含めて 1時間に 2本運転となっている。 しかし沿線の規模から考えて、清音・総社・美袋・備中高梁の便以外は減便されてもしょうがないのかなぁ、という気もする。

 そこで、だ。 伯備線内の全普通列車を 115系 3連に戻し共通運用とする。 そして日中の備中高梁行きを 1時間半あたり 1本ほど快速にし、乗務員削減に対応すべくワンマン運転にしてしまう。 ついでに岡山口を完全 30分ヘッドにすると、ホームのやりくりも楽になって非常によろしい。

 ここでも戦力外となる 105系はどうするべきか? 大丈夫、策を思いついたので先を読んでいただきたい。

●これも策略といえば策略

 山陽本線下りを考える。 岡山〜三原 は管内で最も充実しているが、よく見てみると疑問が浮かぶ部分がある。 オレ自身はあまり利用しないので机上の空論になってしまうがお許しいただきたい。

 本数を数えてみると、日中は 1時間あたり三原・糸崎行きが 2本、岩国行き(西条〜広島 快速)が 2本、この 4本で概ね 15分ヘッド運転。 さらに福山行き快速「サンライナー」が 2本、伯備線列車が途中倉敷まで 2本。 三原〜白市 は岩国直通しか通っていないが、以西は広島支社によって岡山口とよく似たダイヤ設定にされ便利になっている。

 地域の実状には合っているのだろうが、快速運転区間の設定がやや疑問である。 岡山〜福山 と 西条〜広島 だが、この区間をくっつけてしまえば県都間アクセスの向上につながるのに。 実は岩国直通の区間快速は 115系 3000番台(=広島車)であり、広島支社は岡山まで直通させたいのに岡山支社は断りたい、という意図が感じられる。 ここでもやはり新幹線に乗りなさぁいということか?

 ここでの提案として、やはり快速をつなげたい。 「サンライナー」から広島方面への乗り継ぎは現行ダイヤではあまり意味がないが、岩国直通のスジに「サンライナー」運用を組み込むと速達効果が上がるだろう。

 車両は 117系をそのまま使いたいが、115系 3000番台には貫通扉があるのでラッシュ時には 8連で出動させるのがよい。 停車駅は倉敷、新倉敷、笠岡、福山、松永、尾道、三原〜西条、広島〜岩国 とすれば現行通りである。 そうすると 福山〜三原 の普通が減るので、福山止めの代わりに 岡山〜三原 を 2本運転すればよい。

 所要時間から見るとささいな例ではあるが、直通列車が便利になるというのは気分的な効果が大きいように思われる。 岡山は中四国の交通の拠点なのだから、優位性を高める上でもぜひ実現してもらいたいものである。

●もののついでというヤツですか

 吉備線のお話。 岡山〜総社 20.4km の路線、主に通勤通学利用の路線である。 通して乗るなら伯備線の方が早く着くので、吉備線の切符で伯備線に乗っている連中が少なからずいるのではないか。

 全線単線非電化だが、ラッシュ時は混み合うため 5両くらいまで増える。 単行はほとんど見たことがない。 また日本三大稲荷のひとつ最上稲荷が沿線にあり、古墳や国分寺など史跡も多い。 つまり、電化してしまっても損ではないだろうというわけだ。

 吉備線の前身は中国鉄道という私鉄で、津山線と並んで岡山駅ではすみっこのホームに追いやられている。 車両は津山線と共用されている。 しかしほとんど全て平野部を走り、直流用の設備などの用地的な問題は見当たらない。 むしろ急行さえ走っている津山線の方が元気がなく、車両を共用するメリットも今さら思いつかない。

 先述の 105系、活躍の場はここだと思う。 3扉でニーズに合っているし、全線で 40分弱ならトイレがなくてもかまわない。 何より 2両単位で編成が組めるので、ド派手な黄色を吉備路カラーに塗り替えれば完璧である。 まさに「適材適所」だと思う。

 また、やろうと思えば井原鉄道や伯備線倉敷方面への乗り入れも可能であるから、電化された折には倉敷へ乗り入れるのも一興ではないか。 ただし倉敷にホームを増設するスペースはないが。 ところが倉敷の 2番ホームは飼い殺しなので、順に寄せていけばやりくりがつかないことはない。 その気になれば策は見つかるものである。

●ある意味足かせ

 津山線について。 ちょっと前まで気動車急行「砂丘」が鳥取まで 5往復していた路線であり、その先の因美線ではタブレット閉塞が残っていたのはあまりに有名。 だから智頭急行の開通は、津山あたりの人々にとっては不運だったかもしれない。

 という経緯で特急「いなば」に乗客をごっそり持っていかれたわけだが、津山線内は急行 1往復が「つやま」として生き残った。 しかもグリーン車指定席連結で。 こいつぁ驚いた、まさか生き残るとは。 鉄道ファン大喜びのことだろう。

 しかし、代わって設定された快速「ことぶき」 6往復はよくできている。 車両こそお古だが、ビジネスユースのために指定席があり、通学利用の多い法界院に停車し、「つやま」に数分しか引けを取らない。 これはサービス低下どころか数段のアップだと思う。 そう考えると「つやま」の存在意義はないに等しい。 まさか急行券収入が惜しくて…。 よく似た場面が磐越西線の特急「ビバあいづ」に見られる。

 確かに気動車急行のグリーン車はもうここでしか見られないが、ここは潔く「ことぶき」にスジを譲ってほしい。 引退直前の小錦を見ているような気分になってくる。 もし将来四国の電化が進んだら、2000系を買ってきて優等列車に仕立てればよいではないか。

 あと吉備線電化案に関連して、津山線の気動車を全て津山に移管したらどうか。 岡山に朝 6時台に着く便もあった方がいいと思うし、やりくりがつかないことはないだろう。 そして岡山で空いたスペースを電車のために使うか、または西口名物カラオケ店街の拡張に充ててもいいのではないか(なぜ)。

 もうひとつ、圧倒的に通学利用が多い 岡山〜法界院 は直流電化し、吉備線の 105系(予定)が乗り入れるとよいだろう。 本数を増やすと、岡山大学周辺の自転車洪水も何とかなるのではないか、とほのかに期待している。

●落ち着いて考えましょう

 最後に赤穂線を語る。 この路線は非の打ち所がなかなか見つからない。 定時ダイヤもしっかりしているし。 いつの間にか 播州赤穂〜相生 が「近郊区間」と表示されていて、岡山県民としては悔しい限りである。

 管内には特に異論はないが、その先が少々不便なようである。 姫路から西を見てみると、山陽本線は岡山直通と上郡行きが毎時各 1本、赤穂線はほとんど相生始発で岡山直通と播州赤穂行きが毎時各 1本。 これは上郡方面がメインルートということで、利用が多いと見られる 播州赤穂〜姫路 は必ず乗り換えが必要なのだ(ただし朝夕を除く)。 それって逆じゃないの?

 岡山〜相生 は山陽本線経由の方が近いし早いし、赤穂線を全線利用する乗客はごく少ないものと思われる。 だから播州赤穂で系統分離をし、岡山発の列車は播州赤穂止めにして問題はないだろう。 むしろ意味があるのはその先で、播州赤穂〜姫路 を毎時 2本運転し、姫路〜上郡 はやめて 相生〜上郡 とするのだ。 むしろ後者は 姫路〜岡山 直通にしてしまってもいいかもしれない(つまり毎時 1本増発)。 赤穂線内は全線単線だが、播州赤穂以東は現行でも 30分ヘッドのダイヤが組まれているので全く問題はない。

 なぜ赤穂線は相生折り返しになってるかって、どうせその先は新幹線を利用させたいのだろう。 姫路まで出て乗り換えた方がずっと便利なのに。 そもそも相生を新幹線駅にしたこと自体が意味ないように感じられてならない。 新幹線にたずさわる連中って、揃いも揃って同じ考えなのかなぁ。

●終わりに

 3月 3日のダイヤ改正で、山陽本線・伯備線・赤穂線は直通運転を始めるらしい。 確かに岡山駅構内は逼迫してたし、県内を東西に移動する人には朗報だろう。 伯備線も 30分ヘッドになれば直通に問題はないし、いいことづくめである。

 …ってこの話、まさに書こうとしてたアイデアなのじゃーん。 しまったーっ先を越されたーっ(お前は何者)。 ダラダラと書いてるとロクなことがないね。

 これで岡山駅構内はどれほど楽になるのでしょうか。 特に 7番線、岩国行きが出ていった直後に貨物列車が追撃していくさまはいつも気になってたもんね。 旧 5番線があった頃の構内配線にはもう戻らないけど。

 さぁ、姫路〜岩国 に新快速ができるのはいつだ?(できません)(次の話題に続く)


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