編集後記(2015年 9月12日号)


【No.0632】 このコーナーは「週刊ゆたんぽ」をパクって作られています。


 明日は資格試験だってのに、なぜ頑張って書いてるんでしょう。 知りません。

●思いつきを口に出すだけの簡単なお仕事

 消費税 10%化に対する軽減税率の話。 マイナンバーカードを使うって? オレは基本的には安倍総理の言うことはほぼすべて正しいと判断してきたが(当然中身を吟味した上での話な、バカ突っ込みは全面却下)、これだけはいただけない。 財務省案ということだが、こんなの総理が考えた案では決してない。

 断言する。 あのクソ案は、孫正義のような天才策士(悪い意味で)の仕業だね。 オペレーションの手間とか読み取り端末の費用とか保守体制とか通信回線とか、山積する直接的な課題もあるけどそういう次元の問題じゃない。 こういう還付システムを構築できればマイナンバーカードの普及なんてチョチョイのチョイですぜダンナ、とそそのかした大馬鹿者がいるはずなのだ。 それは誰だ。 袋叩きにしてやるから国民の前に出て来い。 精密検査が必要だからその頭をカチ割らせろ。

 未だマイナンバー制度には否定的な人が圧倒的に多いと思う。 オレも一国民としては許容したくない。 しかし導入叶ったあかつきにはどれほどのメリットがあるか、システム開発というかデータベース(特に RDB)の概念を少しでも知る者ならすぐ理解できるはず。 そのメリットに目がくらみ、安易に導入を急いだ韓国などはド派手な情報漏洩を繰り返し大失敗した。 そんな諸外国のいきさつを踏まえ、最後発と言える日本は念には念を入れて制度化しようとしているはずなのに。

 個人情報は管轄する省庁内で必要な分だけ保持する仕組みだから、すべて紐付け可能とはいえ、全情報を一度に参照できるデータベースは存在しない。 しかも普段は生の番号は使用せず、ハッシュ化したもので照合するらしい。 この 2点は評価していいと思うんだけどね。 絶対漏洩しないなんて幻想は抱かず、漏洩してもいかに悪用を防げるかが大事なのだ。 あんなお役所体質で守れるわけないじゃん(笑)。

 手前味噌だが、オレが勤務する会社は小さいがめちゃめちゃマイナンバーを勉強している。 啓発活動やセキュリティ対策提案もバンバンやっている。 その中で条文やガイドラインを読んでいると、以下のような「悪しき前例」を絶対に繰り返してはならない、という想いが露骨に伝わってくる。 あまりに露骨なので、法律とはそういう作り方だと決まっているかと思うほどだ。

 ここまで考慮しておきながらカードを持ち歩けだと? 制度を完璧なものに近づけようと奮闘してきた事務方の努力を無にする暴挙だぞこれは。 百歩譲ってせめて ETC カードのような、クレジットカード本体ではなく分身を使って運用するような考えは浮かばなかったかなぁ。 思慮が浅はかすぎて即刻撤回されるべきレベルだけど、なかなか取り下げられないので長く書いてみたよ。

●日本法人職務怠慢の容疑

 「空から福澤さんのお仕事ぶりを見てみよう」のコーナーです(だいたい合ってる)。 バリバリの IT 業界なもんで(苦笑)、そりゃあまたのパソコンやらサーバやらネットワーク機器をさわっておりますよ。 当然英語のエラーメッセージも読まなきゃいけないから、読解スキルは上がる一方、会話スキルは底辺をキープ(笑)。 相手がいなきゃ発音しないからね。 急いでパツキンで 8頭身のお友達を探さなきゃ(なぜ限定した)。

 久しぶりに hp 製の業務用パソコンを仕入れてみた。 オレは基本的には国産メーカー派だけど、hp は筐体の作り込みのセンスがなぜか波長が合うことが多くって、不安な中韓じゃなくて米国資本のメーカーなら許せるかなってとこ。 だがマニュアルがからっきしダメなのだ。 今回は Windows 7 プリインストールモデル(Windows 8.1 ダウングレード)が安かったので仕入れたのだが、7 はサポート残り 5年を切っているので 8.1 に入れ直そうとした、そのお話。

 この最後の冊子がひどい。 全 28ページの小冊子に 37カ国語でそれぞれ書いてあり、日本語は 33番目。 後ろに控えるはハングル語、簡体中文、繁體中文、最後は右から左へ綴ってるぽいからアラビア語? いや順番はいいんだ。 書いてあるその中身がわけわかめ。

日本語
Windows 8.x のインストール手順
UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)サポートなしで Windows© 8.x をインストールするには、以下の操作を行います。 ただし、Windows 8.x の機能を最大限に活用するには、Windows 8.x をインストールする前に UEFI ネイティブブートモードを BIOS 設定で有効にしておく必要があります。
詳しくは、Windows 7 で[スタート]→[ヘルプとサポート]→[ユーザーガイド]の順に選択して確認してください。
可能であれば、Windows 8.x をインストールする前に個人用ファイルを別売の外部記憶媒体にバックアップしてください。 以下では、[バックアップと復元]でバックアップを作成する操作から説明しています。

(2行略)

  1. [スタート]→[すべてのプログラム]→[メンテナンス]→[バックアップと復元]の順に選択します。
  2. 画面の説明に沿って操作し、バックアップを設定および完了します。

(2行略)

  1. コンピューターに接続されているすべての外付けデバイスを取り外します。 お使いのコンピューターが内蔵オプティカルドライブが搭載されていないモデルの場合は、外付けオプティカルドライブを接続します。
  2. Windows 8.x オペレーティングシステムのメディアを使用可能なオプティカルドライブに挿入します。
  3. コンピューターをシャットダウンします。
  4. コンピューターの電源を入れ、画面の下に[Press the ESC key fore Startup Menu]というメッセージが表示されている間に[esc]キーを押して[Setup Utility](セットアップユーティリティ)を開きます。
  5. [f9]キーを押します。
  6. ポインティングデバイスまたは矢印キーを使用してオプティカルドライブを選択し、[Enter]キーを押します。
  7. 画面に表示される説明に沿って操作します。
  8. Windows のセットアップ中に、[Drive Options (advanced)](ドライブオプション(詳細))をクリックします。 ドライブ 0 の割り当てられていない領域以外のすべてのドライブを削除して[Next](次へ)をクリックします。
  9. インストールが完了したら、Windows 8.x オペレーティングシステムのメディアを取り出します。 (後略、以下手順略)

 わかるかなぁこの理不尽さ。 「Windows 8.x」とかの表記はこの際かまわない。 冒頭だよ冒頭。 「UEFI サポートなしでインストールするには以下の操作を行います、ただし最大限に活用するには〜を有効にしておく必要があります」って何さ。 UEFI サポートありでインストールする方法があるの?どうなの? F11 でリカバリモードに入ったら、何も選べず Windows 7 をリカバリしやがったし。 そこは Windows 7 で確認しろっていうけど、「ユーザーガイド」なんてどこにもない(爆笑)。 ほか「バックアップと復元」の説明がさわりだけでめっちゃ雑だし、逆に要らんところが丁寧だし。 あぁもう。

 それから特に言いたいのが[f9]を押せと書いてあるところ以降。 一挙手一投足まで説明するマニュアルならいいんだけど、こいつは飛びまくってるでしょ。 いきなり F9 を押せと言われても、果たしてそれが正しい場面なのかどうかが全く信じられない。 せめて「○○○という選択肢が表示されたら、F9 の△△△を選びます」くらい書かないと。 「Windows のセットアップ中に Drive option をクリックします」もなかなかひどい。 何時なんだよわかんねーよ!

 これは余談だけど、hp のノートパソコンのファンクションキーは「Action keys Mode(Fn Key Switch)」とかいう特殊モードが出荷時にオンになってて、知らずに押すと画面が明るくなったり音量が下がったりする(笑)。 普通にファンクションキーを使いたい時には「fn」キーと同時に押さなきゃいけない。 これを直すには BIOS に入らないといけない初見殺し仕様。 何を考えてるの? ユーザーを混乱させたいの? バカなの?

 hp ってこんなダメ企業だったかなぁ。 Windows 8.x をインストールするためだけの冊子ひとつで、こんなに手を抜いたり併記して節約したり。 付属のメディアは 8.1 なんだから画面遷移も読み切れるでしょうが。 中身のパソコンは日本仕様でパッケージされているんだから、日本向け専用シートを作っても A5 両面くらいでおさまるでしょうが。 ったく、日本市場でちゃんと売る気があるのかなぁ。

 でもこれは hp だけの問題でもなくて、米国資本の企業はどこもガイダンスがおかしい気がする。 公式サイトのサポートだって、「○○○するには」ていう情報を見たくてクリックすると、よくわからん「▼▼▼センター」のトップページに飛ばされて、無邪気な女性の笑顔だけが迎えてくれて何も策を指示してくれない、という事例がざらにある。 Microsoft とか Symantec とか。 まさかあんな案内の仕方でユーザが納得するとでも思ってるんだろうか。 日本のお家芸たらい回しを現代のサイバー空間でやっちゃいかんよなぁ。

 結局メディアから起動してインストールできたんだけど(そこは数こなしてるからね)、他にもおかしなところが多数あった。 日本語を選択したのに、その次の画面で英語ばかり出たり。 「hp マニュアル Windows 8.x」で検索したら、筆頭のページが 404 Not Found だったり。 ドライバディスクから「オプションのソフトウェア」をインストールしようとしたらリストに何も表示されなかったり。 逆にインストールしてもいないのに「Korea Media Player Center」「Korea Messenger Center」って何やねん、スパイウェアは即刻駆除や(爆笑)。

 すんません、これでいきましょうと Go を出したオレが悪いんです。 でもすぐに忘れてしまうんだよなぁ。 実際に使うユーザじゃなくて、セットアップするオレが苦しめば済むだけの話だからかもしれんが。 いざ書いてみるとこんなに噴出してしまって、自分でもびっくりす。