いろんな意味で、共感してくれる人がどれくらいいるのでしょう(笑)。
居酒屋という商売は、みんなが楽しい思いをしてるときにヒーヒー言わなきゃいけないのが宿命でね。 しかもうちは年中無休だから、飲み会なんて年に 2度できればいい方。 いつも飲み歩いているように見えるのは、参加できるメンバーだけが集まっているからなのだ。
…とグダグダ書きたくなるほど宴は普通に進行した。 勉蔵さんを加えた 4人がクジで見事に上座を占め、珍しく顔を出したオーナーFさんをアゴで使う始末(笑)。 今回は何もネタを仕込んでこなかったが、…もちろんウマは持参したが(笑)、アホなしゃべりに終始できればいいと思ってたのね。 しかし真里っぺとK野さんが妙にハイペースで進めていて、なーんか嫌な予感はしていた。
そしたら。 オレの代わりにネタを仕込んでいる人々がいた。 取り出だしたるは安っぽい散髪バサミと大エリマキ。 そして中央に連行されるオレ? それって断髪式じゃんっ(ええーっ)。
所要時間 45分。
イメージは表紙画像の通り。 勉蔵さんなんか、敵の大将の首でも取ったような顔でカメラに収まってるし。 K野さんに至っては「かわいそう〜」を連発しながらケロッと忘れて嬉々として切りやんの(笑)。 真里っぺならオレの気持ちをわかってくれるはず、と思ったら果たしておいしいところ(=右えりあし)だけ残された(爆笑)。 三つ編みになんぞせんでいい。
もっとぐちゃぐちゃな頭にされるかと思ったら、意外にそうでもなかった。 特にN子さんとUさんは手つきもしっかりしていて、ド素人に切られている気はしなかった。 って感心してるバヤイか、調子に乗って短く切りすぎじゃお前らーっ(笑)。
しかし何より悲しかったことは、身内用に撮らせていたデジカメの記憶メディアが足りなくなったこと(爆笑)。 ったく人がこんなに体を張ってるのによぉ。 16MB ではなく 8MB を入れていたのだが、デジカメだからって普通 2時間で 120枚も撮るかね(笑)。
ここまでで終わればただの「おいしい」宴会。 だが、ちょっと壊れ気味?の真里っぺが日本酒を持ち出してからが悪夢であった。 当然のようにオレに勧めてくるわけで、飲めないからと断っても聞くわけがない。 飲めない量じゃなかったんよ、それまでジョッキで 6杯くらいのもの。 10杯を超えるまでは全く何も心配もいらないのだ(笑)。
オレが日本酒を苦手とするのはなぜなんだろう。 かーっとくる感じが絶対ダメなのは間違いない。 でもカクテルなんかに混ぜて飲めないことはない。 てゆーか、いつまでも逃げ回ってるわけにもいかないしなぁ。 可愛い後輩の勧めならなおのこと(差別待遇)(笑)。 ちびっと口をつけてみたが、ダメなものはやはりダメだった(笑)。
それが。 いつの間にかウォッカ(96度!)に替わっていた(ぎゃーす)。 「プルーフ」じゃないよ「度」だよ。 度数よりも目立つように「火気厳禁」みたいなこと書いてあんの(笑)。 そいつを混ぜられたらしいんだなぁ。 詳しくは覚えていないが、100cc あったとしたら生中 5杯分のアルコールか。 んなものがいくらか体内に入ってきたわけだ。
気がつくと、みんなは後片付けをしていた。 ティッシュと水とゴミ箱を要求したのは覚えている。 いや覚えているのだが、意識が保てず記憶できなかった。 次に気がついたときには真里っぺが店を出ようとしていた。 何のあいさつもなしかい!みたいなことは言ったはず。
その後オレは無人の店内で、ケータイに仕掛けておいた朝 8時半のアラームで起こされた。 そうだ今日はジェッヘル兄貴を拾ってイリー宅へ向かわなければ。 しかし体が全く動かない。 すぐに意識の淵から叩き落される。 ちくしょーこんなに頭は冴えているのに。 それもそのはず、ウォッカを飲まされたと思しき時刻から 3時間半しかたっていないのだから。 結局無事に次の予定をこなしたのだが、万一のことがあったら間違いなく 15点を頂戴したんだろうなぁ。
大酒飲み暦 6年、ただの一度も酒で大きな失敗をしたことのないオレが、これほどまでにやられてしまった。 めちゃめちゃショックでなぁ。 もうひとつ大きな理由があって、それと合わせるともう自分が情けなくて涙が止まらなかった。 苦しいのと、悔しいのと、情けないのと。
このたび真里っぺに講師の仕事が舞い込んだ。 今年度はもうダメかと思い、某文房具屋で昼のバイトを始めたばかりの時に知らせが届いたのだった。 1年くらいはバイトできます、などと言ってせっかく採用してもらったのに、親の知り合いもいるのに…。 どうすべきか結論は明らかなのに、泣くほど悩んで相談されたことがあった。
こっそりとプレゼントを渡した。 大したものではない、プラチナの赤ペン。 別に高くはないけど、我々のイメージの根底にある「せんせい」の必須アイテム。 講師とはいえ教壇に立てるわけだから、夢かなわず教職をあきらめるみんなの分までがんばっておいで。 選ばれた人間なんやからな。
ついこの間まで小さい後輩だと思ってたけど、矢口真里そのものだったのは 2年前くらいまでだった。 それとわかるほど立派になったものだ。 気がつくとしゃべりも考え方も好き嫌いもオレとそっくりになっていた。 まるで妹みたいに。 だからなのか、先に出ていかれるのがものすごく辛い。
そんなわけで、最後は必ず笑顔で背中を押してやろう、と決めていたのだ。 それがあんな情けないことになって…。 先輩らしいこともほとんどしてやれず、とうとう最後まで迷惑をかけっ放しになってしまった。 今もショックを引きずっているのは、むしろこの心残りによるところが大きいようである。
それにしても、オレってオッサン街道まっしぐらやなぁ。