編集後記(2000年11月21日号)


【No.0368】 このコーナーは「週刊ゆたんぽ」をパクって作られています。


 管理人多忙のため、ネタが順延気味となっております。

加藤紘一を考える

 ご存じの通り、内閣不信任決議案は反対多数により否決されました。 うーむ何とも残念。 志の大きさよりも数値の方が重要視される今のシステムでは、民意が反映されなくて当然かも。

 一夜明けて、加藤氏への怒りの声がこんなに大きいことにちょっと驚いた。 そりゃオレだってひどくがっかりした国民の 1人だけど。 いろんな番組に寄せられる投書が、どれもこれもひどく感情的すぎると感じてしょうがないのだ。

 オレ自身は加藤氏はそんなに悪いと思わない。 あくまでオレ個人の考えだけどね。 以下「離党」「保身」「派閥」というキーワードで弁護してみたいと思う。

●「NEWS 23」に寄せられた FAX

負けるな
体むな

●離党

 今回加藤氏が反旗を翻したのは、自民党の中から起こった反乱であることに大きな意味があると思う。 今の世の中は数で自民党が支配していて、野党がひたすら反論を述べるだけの展開。 腐った自民党に任せるわけにはいかないが、鳩山由起夫の悪態ぶりにも民意を任せたくない、という状態である。 そのことの証明に、鳩山氏は衆院選で薄氷の勝利だったではないか。

 つまり、自民党の体質が変われば多くの国民は納得できるのではないかと思う。 そのために内部告発が必要なのだ。 野党の多くはこっちへ来いと誘いをかけただろうが、野党の立場からシュプレヒコールを起こしたのではつまらない。

 加藤氏は、自民党を愛するが故に離党を拒み続けた、と考えるのが妥当ではないか。 鳩山氏と手を組むつもりは初めからなかったのだ。 だから今回の否決は、そこまで考えの及ばなかった野党側の配慮不足が戦術ミスを招いた、と考える。

●保身

 最終的に我が身が可愛くなったのかという意見。 これはあっさり否定しておこう。 加藤氏自身は本会議直前まで単身出席するつもりだったし、除名処分も覚悟したことが表情から見て取れた。

 欠席という決断、それは自民党主流派に丸め込まれてのことかもしれない。 小泉氏の「いい落としどころで決まった」という発言は紛れもなく本心であろう。 まぁ負けることがわかっていたのならば、不信任案反対に回るよりはよかったか。

 でも出席していれば一縷の望みは残されたはず。 なぜやれることをやらなかったか? の答えが、おそらく最も重要なポイント。

●派閥

 運の悪いことに、というか何というか、加藤氏は一匹狼ではなかった。 れっきとした派閥の長である。 このことが後押しになり、足かせにもなった。

 自民党主流派の中にも、内閣に異議を唱える議員は多くいたはず。 彼らは本当は加藤氏を応援したかったのだ。 しかしそこは派閥社会、上から横からの視線でがんじがらめだったことだろう。 対して加藤派の中には、主流派の切り崩しにあって我が身が可愛くなった者が数人いる。 むしろ責められるべきはそっちじゃないかとも思うのだが。

 言いたいのは、派閥の枠組みがあるおかげで自民党内の勢力図が歪んでしまっているということ。 せっかく民意を一身に受けて当選を果たした議員が、派閥のおかげで能力を発揮できなくなっているわけだ。 この人!と思って投票した意味がないよそれじゃ。 まー派閥のことを言い始めるとキリがないんだけど。

 テレビ番組への投書が感情的だなと感じるのは、政治家にしかわからない重圧を何も酌み取っていないな、ということ。 そりゃ目に見える形の結果を望むけど、40人もの部下を抱えた上司にかかるプレッシャーも少しは考えてあげようよ。 結果がどうなったって悪いのは自民党の主流派なんだから、加藤氏だけを責めるのはもうやめなさい。

●政治生命

 あえて苦言を呈するとすれば、もうちょっと野心を持ってほしかったこと。 もし賛成票を投じて除名されても国民は加藤氏を見放したりしないし、その政治姿勢が正しいんだと認められれば加藤派は勢力を伸ばしていけると思う。

 国民の信頼を失った、という意味では政治生命は絶たれたに等しいかもしれない。 ならば開き直ってもらわなきゃ。 切り込み隊長となりゼロから発進するのだ。 「政治生命」とはよく言ったもので、頑張れば輪廻転生できるのだ。 がんばっていただきたい。

 その際は名前を加藤紘二(かとうこうじ)にして(何言ってるんスかー)。 <最悪のオチ

●水掛け論

 松浪健四郎(保守党)が壇上から水をかけたけど、そういえば野党席の最前列には原陽子議員(25歳・社民党)、通称政界のヒロスエがいなかったっけ(爆笑)。 実際に水をかけられたのは永田寿康議員(民主党)らしいんだけど。 よく VTR を見てみると、ヒロスエは真っ先に飛び出していて、書類で演台をガンガン叩いていたぞ(笑)。