編集後記(2000年11月17日号)


【No.0367】 このコーナーは「週刊ゆたんぽ」をパクって作られています。


 コルク栓を抜く、という動作ひとつで 1日分を書ききってしまいました。

●ボージョレー狂騒曲

 昨日は 11月の第 3木曜日。 何の日だかおわかりかな? グローバルなあなたはおわかりだろう、ボージョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)の解禁日なのだ。 お前は知ってたのかって? へっ甘く見んな、今日店に来たらボトルがあったから思い出したのだ(甘いよ)。

【beau2000.jpg】

 うちの店にやってきたのは仏クルーズ社の 2000年モデルで、ラベルにゴッホの「ひまわり」が描いてあるやつ。 ボトルが透明だから一瞬ロゼかと思っちゃったけど。 今年はぶどうの生育がめっちゃんこいいらしいので、話のタネに飲んでみたいものである。


 最近さとこに時々店に来てもらっている。 社会の荒波に飛び込んでいった彼女はすごくたくましくなっているが、二言目にモノをねだる行動パターンは相変わらず(笑)。 今日も予想と寸分違わず、これ飲んでみたいと言い出した(笑)。 まー次の仕事も決まったそうだし、めでたくアレが来たそうだし(笑)、素直に飲ませてやりますか。

 コルクを抜くところからセルフサービスでやらせてみる。 抜けない。 ははは、おぜうさまには力仕事は無理やな。 …ところが抜けない。 オレがやってもさんがやっても、店長が力任せにやっても抜けない(笑)。 こりゃ大変だ。

 今日は金曜日、だんだんと店は忙しくなってくる。 なのにそれどころじゃない(笑)。 釣りをしていて道糸が根がかりしたような感覚。 さとこが「人に見せられないような格好でやってみる」と裏へ行ったので、こっそりのぞいてみると男性諸君にはおなじみの体勢で奮闘していた(笑)。 んな格好で力が入るもんか。

 原始的なワインオープナーでは無理なのか。 こうなったらしょうがない。 リスクは大きいけど引き抜きやすい、てこタイプのオープナーでやってみよう。 こいつはスクリューの軸が太く、ネジ山が低いのでコルクを砕く可能性が高い(笑)。 しかも、何と 100円ショップで買ってきたものだった。

 えいっ((c)さとこ)。

 ばきっ((c)さとこ)。

 オープナーが壊れちゃった(爆笑)。 コルクは無事だったんだけど、てこの支点にあたる部分がプラスチックなので割れたらしい(笑)。 つまりそれほどコルクが固く詰まっているわけだ。

 追い打ちをかけるように、お客さんから注文が入った。 さぁどうしよう、原始的な方で力任せにやるしかないんだけど。 別のボトルを持ってきてさんが力を振り絞る。 一同祈る(笑)。 ここはめでたく抜けて落着。

 厨房が忙しくなってきた。 その間さとこは、コルクをナイフで削っていたらしい(笑)。 そうしてみたらと教えたのはオレだけど(笑)。 やはり徒労に終わり、なぜか半泣き(笑)。

 そうこうしているうちに常連の、某スナックのマスターが来店。 意外に器用な人で、オレから日曜大工の座を奪ってしまったくらいである。 お願いしてみた。 どうですか、やっぱり力技じゃ無理でしょう。 すぽん(爆笑)。

 ポイントは、コルクにワインを触れさせて湿らせることなのだそうだ。 そっか、だからワインは横置きなのか。 マスター殿今日もありがとうございました。 …が、ガリガリやってたからコルクくずがワインの中に入ってしまっている。 結局キッチンペーパーで漉してジョッキに注ぐ(笑)。 何ちゅー図式だ。


 仕事が終わった後、オレもおこぼれにありつくことができた。 いやー実はボージョレーは初めてだもんなぁ。 その割に仕草は一丁前にキメてみる(笑)。

 感想。 思いのほか口当たりが柔らかく、渋さは全く気にならない。 香りは深く、いたってフルーティー。 赤ワインにいいイメージを抱いていない人にも飲んでいただきたい、「エエトコドリ」なワインであったように思う。

 …そんなオレの背後に常連夫妻が来店、ボージョレーを注文した。 奥さんの最初の言葉は「物足りないなー」であった。 ははは、オレがいいワイン飲んでないのがバレちゃう(爆笑)。


 どうも今日は散々だなぁ。 と思っていたら、帰る間際にもう一度コルクを抜いてくれと言われた。 最後こそはキメてやるぜ! 意気込んでオープナーを引き抜くとコルクが粉砕(爆笑)。 相当ショックだったらしい福澤さん、今後しばらくワインを口にしないことを心に誓ったのでありました。