編集後記(2000年 6月16日号)


【No.0311】 このコーナーは「週刊ゆたんぽ」をパクって作られています。


 続けざまに第 4回。 ローの壊れた MT 車と同じです(誤)。

「三題噺2000」 〜第4回〜

今回のお題:「ドジョウ」
「左ハイキック」
「渕」

 ここはいつもの学生食堂。 いつものように 530円しか持ってこなかった学生を尻目に、いつもの 2人が日替わり定食を食べていました。

宝塚
安田、最近なっちゃんとはうまくやってるの」
安田
「いきなりそういうこと聞くか。 当たり前や、決まってるがな」
宝塚
「で、どうなんだよ」
安田
「うぐっ。 仲良うやってます、やましいことなんかあらへん」
宝塚
「ふーんそうなんだ。 そういうこと聞きたくて質問したんじゃないんだけどなぁ」
安田
「う、墓穴掘ったな」
宝塚
「いやあのね、の先輩たちから集団ドライブに誘われてね。 今度の土曜日なんだけど、きみもどうかなと思って」
安田
「ほー。 すまんな、バイトに行かなあかんねん」
宝塚
「そうなんだ。 でね、先輩の一人から『彼女も連れておいで』って言われて、思わずうんって言っちゃったんだ」
安田
「何でウソつくねん」
宝塚
「見栄張りたいお年頃なんだよ」
安田
「そうやってな、本心を隠して生きとるとすぐにオッサンになるで」
宝塚
「…それはわかってるけど」
安田
「そのうち『宝塚今年こそはいい人を見つけなさい』ゆうてマイクパフォーマンスされたりしてな」
「ドジョウ」
「左ハイキック」
「渕」
宝塚
正信と一緒にしないでくれよ」
安田
「お前も色白やし」
宝塚
「僕は 40 までには結婚してみせるよ」
安田
「えらい低い目標やな」
宝塚
「でさぁ、なっちゃんってかわいいと思うけど、特にどこが好きなの」
安田
「ど、ど、どこって」
宝塚
「うわ珍しい、耳まで真っ赤だ」
安田
「うっさい」
宝塚
「照れるのは悪いことじゃないじゃん。 教えてよ」
安田
「そうやなぁ、…あいつの着こなしにはいつも目を見張るやろ」
宝塚
「うん。 人混みの中でも目立つよね」
安田
「あれほとんどオレのリクエストやねん」
宝塚
「へー、そんな趣味があったんだ」
安田
「趣味って言うな、ええやん」
宝塚
「いいと思うよ。 ヒラヒラのついた服とか着てたと思ったら、次の日にはしっとりお姉さまだったりするもんね」
安田
「毎日帰り際にリクエストすんねん、明日はど嬢系でな、とか」
宝塚
「…は?」
「ドジョウ」
「左ハイキック」
「渕」
安田
ど嬢系」
宝塚
「『お嬢』でしょ」
安田
「あーそうやった、悪ぃな」
宝塚
「この確信犯め」
安田
「お前もわかってんのやないかい」
宝塚
「ごめんごめん。 でさぁ、なっちゃんは土曜日は何か予定でもあ…」
安田
貸さんで
宝塚
「…うっ」
安田
「バレバレの切り出し方すんなや」
宝塚
「だってさぁ、そんな急に彼女作れって言われたって」
安田
「オレはそんなこと言うてないで」
宝塚
「…ハイ」
安田
「急に作ったったらええねん。 多少力技でいくぐらいの気でおらな」
宝塚
「ち、力技?」
安田
「強引なくらいでちょうどええんや。 そうやな、かわいいコとエレベーターに乗り合わせたとしよか」
宝塚
「うん」
安田
「お前とそのコの 2人しかおらへん。 さぁどうする」
宝塚
「そりゃ、…“開”ボタン押してあげるとか、何階か聞くとか」
安田
「そうやな。 それくらいしかあらへん。 そん時にアピールせなあかん」
宝塚
「うんうん」
「ドジョウ」
「左ハイキック」
「渕」
安田
「ボクはこんなにも体が柔らかいんだよ、と言わんばかりに足を振り上げてボタンを押すねん。 かかと落としかハイキックの要領で」
宝塚
「ちょっと待った、聞きたいことが 2つ」
安田
「何や」
宝塚
「どうして体が柔らかいことを強調するんだよ」
安田
「アホやな、柔らかくて損することが何かあるんかいな」
宝塚
「そりゃ…」
安田
布団の中で変わったこともできるやろ」
宝塚
「んなこと思いつかないよ」
安田
「それくらい頭の回転の速い女を手に入れろっちゅうことや」
宝塚
「…よくわかんないけど。 次、どうして左ハイキックなのさ」
安田
「簡単、右では具合悪いからや」
宝塚
「どういうことだよ」
安田
「何階か聞いたとき、そのコはどっち向いてる」
宝塚
「ドアの方じゃないの」
安田
「そや、ボタンもドア側にあるやろ。 突然ハイキックを繰り出す、そのコはどうする」
宝塚
「驚くでしょ」
安田
「もしかしたらのけぞってひっくり返ってしまうかもしれへん。 その時に利き腕で支えられるやんか」
宝塚
「そうか、いきなり腰に手を回せるんだね、っておい」
安田
「この作戦ダメか?」
宝塚
「当たり前じゃん。 変な人って思われておしまいだよ」
安田
「今度使ってみよ思うたんやけどな」
宝塚
「だめーっ。 …もしかして、なっちゃんにもその手を使ったんじゃないよね」
安田
「似たようなもんや」
宝塚
「あいたたた」
安田
「左ハイキックしようとして、すっ転んでしもうたところを声かけてもろたんや」
宝塚
「はいはい。 要はきっかけなんだね」
安田
「そういうことや。 わかったな」
二人
「ナットク」

福澤
「オレ今日は出番ないの?」


●総評

 今日は珍しく簡単なお題を引き当てました(笑)。 今までが難しすぎたんだけどね。 こういう普通名詞が並ぶとやりがいがあるし。 …「」は固有名詞か(笑)。

 補足。 ドアとボタンの位置関係ですが(笑)、普通はドアに向かって右側にボタンがあるよね。 日本人は右利きが多いから。 女の子がボタンの真正面に立ったとき横から足を伸ばす、とご理解下さい。 って、補足しなきゃわかんないネタは失敗なんだけどね。

 さてさて、今日の 3つのお題を使って Rokky 氏が三題噺を作ってくれます(おおーっ)。 は結婚できるのでしょうか(笑)、明日号をお楽しみに。 ここまで読んでくれた人、次のお題の投票をよろしくね。