続けざまに第 4回。 ローの壊れた MT 車と同じです(誤)。
今回のお題: | 「ドジョウ」 |
「左ハイキック」 | |
「渕」 |
ここはいつもの学生食堂。 いつものように 530円しか持ってこなかった学生を尻目に、いつもの 2人が日替わり定食を食べていました。
- 宝塚
- 「安田、最近なっちゃんとはうまくやってるの」
- 安田
- 「いきなりそういうこと聞くか。 当たり前や、決まってるがな」
- 宝塚
- 「で、どうなんだよ」
- 安田
- 「うぐっ。 仲良うやってます、やましいことなんかあらへん」
- 宝塚
- 「ふーんそうなんだ。 そういうこと聞きたくて質問したんじゃないんだけどなぁ」
- 安田
- 「う、墓穴掘ったな」
- 宝塚
- 「いやあのね、修の先輩たちから集団ドライブに誘われてね。 今度の土曜日なんだけど、きみもどうかなと思って」
- 安田
- 「ほー。 すまんな、バイトに行かなあかんねん」
- 宝塚
- 「そうなんだ。 でね、先輩の一人から『彼女も連れておいで』って言われて、思わずうんって言っちゃったんだ」
- 安田
- 「何でウソつくねん」
- 宝塚
- 「見栄張りたいお年頃なんだよ」
- 安田
- 「そうやってな、本心を隠して生きとるとすぐにオッサンになるで」
- 宝塚
- 「…それはわかってるけど」
- 安田
- 「そのうち『宝塚、今年こそはいい人を見つけなさい』ゆうてマイクパフォーマンスされたりしてな」
「ドジョウ」 「左ハイキック」 済 「渕」 - 宝塚
- 「渕正信と一緒にしないでくれよ」
- 安田
- 「お前も色白やし」
- 宝塚
- 「僕は 40 までには結婚してみせるよ」
- 安田
- 「えらい低い目標やな」
- 宝塚
- 「でさぁ、なっちゃんってかわいいと思うけど、特にどこが好きなの」
- 安田
- 「ど、ど、どこって」
- 宝塚
- 「うわ珍しい、耳まで真っ赤だ」
- 安田
- 「うっさい」
- 宝塚
- 「照れるのは悪いことじゃないじゃん。 教えてよ」
- 安田
- 「そうやなぁ、…あいつの着こなしにはいつも目を見張るやろ」
- 宝塚
- 「うん。 人混みの中でも目立つよね」
- 安田
- 「あれほとんどオレのリクエストやねん」
- 宝塚
- 「へー、そんな趣味があったんだ」
- 安田
- 「趣味って言うな、ええやん」
- 宝塚
- 「いいと思うよ。 ヒラヒラのついた服とか着てたと思ったら、次の日にはしっとりお姉さまだったりするもんね」
- 安田
- 「毎日帰り際にリクエストすんねん、明日はど嬢系でな、とか」
- 宝塚
- 「…は?」
済 「ドジョウ」 「左ハイキック」 済 「渕」 - 安田
- 「ど嬢系」
- 宝塚
- 「『お嬢』でしょ」
- 安田
- 「あーそうやった、悪ぃな」
- 宝塚
- 「この確信犯め」
- 安田
- 「お前もわかってんのやないかい」
- 宝塚
- 「ごめんごめん。 でさぁ、なっちゃんは土曜日は何か予定でもあ…」
- 安田
- 「貸さんで」
- 宝塚
- 「…うっ」
- 安田
- 「バレバレの切り出し方すんなや」
- 宝塚
- 「だってさぁ、そんな急に彼女作れって言われたって」
- 安田
- 「オレはそんなこと言うてないで」
- 宝塚
- 「…ハイ」
- 安田
- 「急に作ったったらええねん。 多少力技でいくぐらいの気でおらな」
- 宝塚
- 「ち、力技?」
- 安田
- 「強引なくらいでちょうどええんや。 そうやな、かわいいコとエレベーターに乗り合わせたとしよか」
- 宝塚
- 「うん」
- 安田
- 「お前とそのコの 2人しかおらへん。 さぁどうする」
- 宝塚
- 「そりゃ、…“開”ボタン押してあげるとか、何階か聞くとか」
- 安田
- 「そうやな。 それくらいしかあらへん。 そん時にアピールせなあかん」
- 宝塚
- 「うんうん」
済 「ドジョウ」 済 「左ハイキック」 済 「渕」 - 安田
- 「ボクはこんなにも体が柔らかいんだよ、と言わんばかりに左足を振り上げてボタンを押すねん。 かかと落としかハイキックの要領で」
- 宝塚
- 「ちょっと待った、聞きたいことが 2つ」
- 安田
- 「何や」
- 宝塚
- 「どうして体が柔らかいことを強調するんだよ」
- 安田
- 「アホやな、柔らかくて損することが何かあるんかいな」
- 宝塚
- 「そりゃ…」
- 安田
- 「布団の中で変わったこともできるやろ」
- 宝塚
- 「んなこと思いつかないよ」
- 安田
- 「それくらい頭の回転の速い女を手に入れろっちゅうことや」
- 宝塚
- 「…よくわかんないけど。 次、どうして左ハイキックなのさ」
- 安田
- 「簡単、右では具合悪いからや」
- 宝塚
- 「どういうことだよ」
- 安田
- 「何階か聞いたとき、そのコはどっち向いてる」
- 宝塚
- 「ドアの方じゃないの」
- 安田
- 「そや、ボタンもドア側にあるやろ。 突然ハイキックを繰り出す、そのコはどうする」
- 宝塚
- 「驚くでしょ」
- 安田
- 「もしかしたらのけぞってひっくり返ってしまうかもしれへん。 その時に利き腕で支えられるやんか」
- 宝塚
- 「そうか、いきなり腰に手を回せるんだね、っておい」
- 安田
- 「この作戦ダメか?」
- 宝塚
- 「当たり前じゃん。 変な人って思われておしまいだよ」
- 安田
- 「今度使ってみよ思うたんやけどな」
- 宝塚
- 「だめーっ。 …もしかして、なっちゃんにもその手を使ったんじゃないよね」
- 安田
- 「似たようなもんや」
- 宝塚
- 「あいたたた」
- 安田
- 「左ハイキックしようとして、すっ転んでしもうたところを声かけてもろたんや」
- 宝塚
- 「はいはい。 要はきっかけなんだね」
- 安田
- 「そういうことや。 わかったな」
- 二人
- 「ナットク」
- 福澤
- 「オレ今日は出番ないの?」
補足。 ドアとボタンの位置関係ですが(笑)、普通はドアに向かって右側にボタンがあるよね。 日本人は右利きが多いから。 女の子がボタンの真正面に立ったとき横から足を伸ばす、とご理解下さい。 って、補足しなきゃわかんないネタは失敗なんだけどね。
さてさて、今日の 3つのお題を使って Rokky 氏が三題噺を作ってくれます(おおーっ)。 渕は結婚できるのでしょうか(笑)、明日号をお楽しみに。 ここまで読んでくれた人、次のお題の投票をよろしくね。