ヨーロッパのアナウサギの家畜化されたもので、用途に応じて毛用種・肉用種・毛皮と肉の兼用種・愛玩用種などができている。 そのうち主要な品種には次のようなものがある。
- 【アンゴラ種】
- フランスでは古くからこの毛を利用してきており、毛用種中最もすぐれたものである。 毛色によって十数種の内種があるが、白色のものが最も多く飼育される。 イギリス系はローヤルアンゴラと名づけられ、体重 2.5kg ほどである。 フランス系はやや大きく、体重 3.5kg である。 アンゴラ種の特徴は長毛で、毛は1ヶ月に 2.5cm ほど伸びるので、年に 3〜4回刈れば 300〜450g の毛が得られる。 毛は特殊な織物や毛糸として重宝される。
- 【ニュージーランドホワイト種】
- アメリカでつくりだされた毛用種で、体重 4kg、体型は前半分がよく発達し、肩幅と腰幅の差が少ないので毛皮がほぼ長方形になり、利用度が高い。 本種は改良の途中にアンゴラ種を入れたため毛質が少し細長く、弱い欠点がある。 日本白色種の改良に用いた歴史がある。
- 【チンチラ種】
- 毛色が南アメリカ産の動物チンチラに似ているのでこの名がある。 フランス原産の毛用種で、染色せずにそのまま用いられる点が珍重される。
- 【ベルジアンヘア種】
- ベルギー原産で褐色の毛皮をもち、ノウサギに似ている。 イギリスとアメリカで大型に改良され、肉用種として重宝される。 肉は特にソーセージの内容物中につなぎとして混入される。
- 【日本白色種】
- 日本で最も広く飼育されるウサギで、毛色は純白、体重は生後8ヶ月で 4.5kg、毛は長さ 2.5cm ほどになる。 耳の長さが 18cm 未満のものを標準としており、毛皮と肉の兼用を目標に改良されたものである。
カイウサギはさらに実験用動物として使用され、マウス(ハツカネズミ)やモルモットに比べて体格が大きいので、睾丸内接種・前眼房内接種など、特殊な組織での病原体接種実験に便利である。 また、免疫血清を製造するのにも使用される。